河口湖の移住の現状【役場の移住担当者にお聞きしました】

車中からの富士山

富士河口湖町役場では政策企画課に移住に関する窓口があります。そこで、担当者の方に現在の河口湖への移住についてお話を伺いました。

移住相談は増えている

移住に関する相談で多い問い合わせは『空き家バンク』についてだそうです。
これは、空き家になっている町内の家を安価な賃貸物件として移住を検討している方向けに案内している制度です。

2020年は緊急事態宣言下の4月、5月は案内を止めていたそうですが、それでも空き家バンクを通しての成約件数は2020年9月時点ですでに2019年の1年間の成約件数を超えているそうです。2020年夏頃より移住相談もどんどん増えているそうです。

移住者はどこからの移住者ですか?

まず多いのは隣町の富士吉田市だそうです。えっ、隣町?と想定していなかったので驚きましたが、富士吉田市には新婚世帯向けの家賃支援制度があるため、まずもって富士吉田市で暮らしその後富士河口湖町に家を建て移住、という方が多いのかもしれません。

また、富士吉田市とは隣接市町村でアクセスも良くほぼ同一の生活圏なので、引っ越しても職場を変えたりする必要がないというのも相互に移住しやすい環境なのかもしれません。

県外からの移住者はほとんど東京・神奈川だそうです。東京・神奈川と河口湖のデュアルライフの方もいらっしゃるようです。

移住者の仕事や働き方

富士吉田市など近隣から移住をした方は河口湖周辺や山梨県内のお勤めなので、河口湖から通勤して働く方が多いそうです。

県外からの移住者はほとんど在宅ワークだそうです。

河口湖にはコワーキングスペースや仕事ができるくらいのフリーWifiスポットが無いので皆さん自宅で仕事をしているそうです。

河口湖に住んでいる方で自宅外で仕事をしたいと思う時は『富士吉田市のコワーキングスペースanyplace.com』や『富士吉田のスタバ』に行くそうです。

空き家バンクのリフォームについて

富士河口湖の『空き家バンク』はとても魅力的な物件が大変安価な家賃で住むことができる制度ですが、賃貸物件なのでリフォームやインターネット工事をしたい時はどうなるのか気になるところです。

この点について伺ったところ、一般的な賃貸契約における借主貸主双方の損傷や汚れ等に関する負担義務は緩い感じのようで、現状回復を求めず「リフォームしてくれてありがとう」「インターネット工事してくれてありがとう」のような寛容な大家さんが多いようです。

インターネット工事

富士河口湖町はNTT東日本フレッツ光回線の利用可能エリアなので町内でインターネット工事は可能です。

インターネット工事をすることで在宅ワークが可能になります。

移住者が多いエリア

船津・小立エリアはもともと住民も移住者も多いエリアですが、最近では河口エリアに新しい住宅の建設が多いようです。富士吉田市や甲府方面に繋がるトンネルができたことで河口湖町との行き来が便利になり、まだ多くの家が建っていない静かで眺望も良いこのエリアを選ぶ人が増えているそうです。

子育て世帯向けのエリア情報

富士河口湖のエリア(地区)には船津・小立・勝山・河口・浅川・大石・長浜がありますが、大石・長浜は子供が少なく、且つ保育所の赤ちゃん時代から小学校・中学校などずっと一緒の子供達が多いです。

移住サポート

今まで行なっていた移住体験ツアーは新型コロナウィルス対策のため今年は行わないそうですが、代わりに移住希望者の関心事項をあらかじめヒアリング(住まいであれば賃貸希望か、土地を購入して一戸建て希望か、中古戸建希望かなど)し、それを基にツアー内容をプランニングするという企画を現在しているそうです。企画が整い次第『富士山暮らし応援隊公式ホームページ』で案内するそうです。

参考 富士山暮らし応援隊富士河口湖.fun

移住された方がその後定住するにあたり、富士河口湖町をより知ることができるイベントなども企画しているそうです。

県外移住者の関心事

県外から移住相談をする方、移住した方の1番の関心事は子育て環境でした。

・保育所に入ることができるのか?→2歳以下はかなり定員枠パンパンです。

・学校は荒れているか?→荒れてません。
(こんな自然豊かな穏やかな環境では子供が荒れようがないです)

など、子育てに関する相談が1番多いそうです。

自治会について

自治会は加入義務はないですが、防災の点では災害時に自治会単位で誰がどこにいるとわかっているのはすごく役立つそうです。ゴミステーションの管理も自治会単位で行なっているので、マンションやアパートでは個別のゴミ置場がありますが一戸建ての場合は自治会に加入してゴミを捨てたりするのが一般的なようです。

最後に移住に関する課題について伺いました。

  1. 賃貸物件が少ない 
  2. 子供が増えている、保育所、特に2歳以下の受け入れ先がギリギリ
  3. 渋滞が多い

移住者にとってはまずもって住むだけでも結構大変なのにいきなり土地を買って家を建てる・・・というのはかなり抵抗があるかと思います。まずは賃貸で住んで町の様子が分かり、生活環境や子供の成長に合わせて土地を探し家を建てるというステップを検討される方が多い中、富士河口湖町の賃貸ファミリー物件の少なさは悩ましいところです。

子供が増えていて保育所もかなり整っているのですが、それでも1人の保育士さんが少人数しか担当できない2歳以下の保育施設がパンパンになってきていて受け入れがギリギリになっているのは、これまた悩ましいところです。

2020年9月の4連休各地で大渋滞が起きていましたが河口湖の渋滞も酷かったです。生活道路と観光道路が一緒なので観光客も住民もどちらも困ります。それくらい観光客が多いのは町の潤いとしては素晴らしいのですが、今後紅葉の季節などは覚悟が必要です。

 かわぐちこ
ちゃん
 かわぐちこ ちゃん

いつも役場に行って思う人の親切さ、温かさ

ありがたいなぁ〜