移住を検討する上で仕事をどうするか。今の仕事がリモートワーク可能なのでそのまま継続、あるいは移住を機に起業という考えも浮かんだりするかもしれませんが、住む場所で探す(転職)ということも選択としてあるかと思います。そこで、ハローワーク富士吉田の担当者の方に河口湖周辺の求人・求職の状況についてお話を伺いました。
※注:下記の内容はハローワーク富士吉田管轄(富士吉田市、忍野村、山中湖村、富士河口湖町、鳴沢村)全体での話になります。 (富士河口湖町に限定したものではございません)
2020年8月の有効求人倍率は0.6でした。これは昨年同時期と比べると約半分であり、リーマンショック不況時とほほ同じとのことです。倍率が低くなっている要因としてはコロナ禍の影響による求職者増、求人数減のためとのことです。ちなみに求人数は減っていますが賃金の低下は今のところ見られないとのことです。
- 求職者増
コロナ禍の影響による企業業績悪化からの失業に加え、休業保障だけでは生活費が賄えずダブルワークや副業を求める人が増えている。 - 求人数減
コロナ禍の影響による企業業績悪化のため人件費抑制。また、コロナ禍の状況の先行きが非常に不透明なため、どのタイミングで求人を出すべきか今後の人員計画の見通し判断が非常に難しい状況のため。
企業の現状からすると、現人員で十分仕事が回る、雇用維持がやっと、または仕事がどんどん減っているので新規の雇用が生まれにくいとのことです。
ほぼ全ての業界、業種において求人数が少ない、有効求人倍率が1以下という厳しい状況です。しかし、より厳しい状況が続く製造業等と比べますと観光業、とりわけホテル・飲食の「商品販売」「接客・給士」業種で求人数増、有効求人倍率1.4以上という改善傾向が見られます。
これは2020年10月になってから見られるようになった傾向で、GoToキャンペーンによる観光客増加が寄与しているのではとのことです。ただしそれでもフルタイムの求人数は伸び悩んでおり、増えているのはパートの求人数とのことです。
また、介護・看護の業種については現在も人手不足の状況だそうです。リーマンショック不況時は、この業種にも多くの求職者がいたそうですが、昨今のコロナ禍においては、雇用調整助成金により雇用がなんとか維持されているためか人手不足のままだそうです。
ようやく観光客数の回復による関連企業の事業継続が見えてきた部分がありますが、ことコロナ禍に関しては様々なところで述べられていますが「先行きが全く不透明」という点がリーマンショック不況の時との大きな違いであり、総じて業界、業種問わず厳しい雇用環境が続くのではないかとのことです。特に製造業等の観光関連業界以外のところは雇用環境が改善されていくには時間がかかりそうだとのことです。
また、雇用調整助成金の特例措置が2020年12月31日までなことから、これに伴う雇用調整が企業にて実施され、失業者増、求職者数が大幅に増えるのではないかという懸念もあるとのことです。
参考 ハローワーク富士吉田厚生労働省山梨労働局